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マイケル・エルガンのan issueを巡る覚書

本日(7/22)、プロレスリング・ノアお問い合わせ窓口に下記のようなメールを送りました。
これまでの経験上、お返事は絶対に頂けないのはわかっているのですが、団体が持つ社会性への信頼が私の中にもかろうじて残っているため、正攻法アプローチとして送らざるを得なかったという感じです。

マイケル・エルガン選手のタイトル返上、大会欠場に関しての詳細説明を求めます。
周知のこととは思いますが、海外のレスリング系ニュースサイトから「窃盗を行った」という噂が流れ、その後本人によって「逮捕はされたが起訴されずに釈放された」という弁明がなされましたが、肝心の下記2点が不明のままです。

「そもそも何をして逮捕されたのか」

「タイトル返上、出場停止になったのはいかなる理由なのか」

細かい契約上のやり取りなどもあるとは想像できるのですが、こと犯罪に絡んでいる可能性が高い本件において、このまま御社が沈黙を貫き続けることは、公的秩序、道徳性の観点において、問題があると言わざるを得ません。犯罪を肯定していると取られても致し方ないところでしょう。また、もしエルガン選手が不当逮捕をされていたのであれば、彼の名誉を守るべきではないでしょうか?
この件において、少なからぬファンが説明が何一つなされないことに失望の意を示していることは、既にSNS等のサーチで把握されていることと存じます。
黙っていれば確かに時間経過で話題性は薄れていくものとは思いますが、一旦こうして失ってしまった信頼を取り戻すことは至難であり、また今後再度このようなことが起きた時に今回よりさらに厳しい追及がファンの間で起こることは間違いありません。
リングの上で誇りをもって戦う選手、団体を信頼し支えんとするファン双方のためにも、きちんと経緯の説明を行い、こうした事件の再発防止を策定すると誓っては頂けませんでしょうか。応援する選手、団体がこうしてグレーな状態のまま、非難に晒されているのを見ていることしかできないのは、非常に悲しく、耐え難いことです。
なにとぞご検討頂けますよう、よろしくお願いいたします。

ご検討も何もない…ということはわかるんですけど、手癖でこういう文章になっちゃうんですよね。でももうエモいことを書く気力はないので……。「支えん」がちょっとエモいか? どうでもいいかそんなことは。
毎回そうだけど、本名と電話番号晒して抗議送るの、ほんとやだ。こんなことはやりたくないので不祥事を起こさない団体であってください。

前エントリは参戦に対する抗議だったので、続編展開的になってしまうのですが、結局参戦3か月たたず何らかの問題を起こして帰国したらしきエルガンの件、あるいは問題を抱えた外国人選手とあえて契約しながらも管理できなかったNOAHの件に関して、時系列をここにまとめておこうと思います。
↑のメールにも書きましたが、時間経過で話題性が薄れて何がなんだかわからなくなる可能性が高いので、今後のために書き残しておく所存です。

 

エルガン王座返上&大会欠場時系列

4月8日
4.30 両国大会への参戦発表(7.16武道館大会までの出場契約との旨がHPに掲載される)

5月21日
大田区大会。マサ北宮選手とのタッグでGHCタッグ王座を戴冠

7月9日
有明で行われたファン交流イベントを欠席。翌日7.10富士大会も「諸事情により」欠場となるという公式アナウンスが出る。本来7.16武道館で初戦となるはずだったスタリオン・ロジャースとアンソニー・グリーンが急遽参戦へ

7月13日
「諸事情により」GHCタッグ王座返上、7.16武道館大会欠場の公式アナウンスが出る

7月14日
新日本プロレス参戦中のジェフ・コブが、G1直前会見で「オレからG1優勝を盗むことはできない、盗めるとしたらせいぜいがプロテインパウダーだな」と語る(ジェフは新日参戦時のエルガンと組んでいたが、自他共に認めるほど仲が悪い)

7月17日
海外のレスリング系ニュースサイトBodyslam.netのオーナー、Cassidy Haynesが「エルガンはプロテインパウダーの窃盗で逮捕され、起訴されれば懲役5年となる可能性がある」というニュースを自身のアカウントで流す


7月18日

エルガン自身が釈明。
経緯に触れている部分だけ簡単に書くと、「ある事件(an issue)」の取り調べを受けて拘留されたが、日本では弁護人を通さないと外部連絡ができないため、7/9と7/10のイベントを無断欠席することになった。その件に関してはNOAHフロントと話して解決済み。その後叔母が亡くなり、葬儀のためタイトルを返上し、帰国することになったとの主張。


7月19日

レスリング・オブザーバー誌のオーナーとして知られるライターDave Meltzerが自身の有料ポッドキャストで「事件はジムで起こったということだけはわかっている」と話す

Michael Elgin Involved In A Gym Incident

 

…まあ、「ある事件(an issue)」って何? としか言えないですよね。
結局そこをボカしている以上、NO PROBLEMということにはならないんですよ。
本人は「question(取り調べ)」とか書いてますけど、「警察に拘留され、72時間は弁護人を通さないと外部連絡できない」という状況は日本語では「逮捕」であり、英語では立派に「arrested」です。
ちなみに外国人でも国選弁護人は指定できますし、それで外部連絡を取ることは可能だったのですが、多分警察のそういった説明がわからなかったのだと思います。その辺外国人にはわかりにくいとか、供述調書の様式が不親切とか色々あるみたいですね。でも外部連絡させないこと自体は、証拠隠滅を防ぐためなので普通だよ。
身寄りのない短期就労ビザで来日した外国人なのだから、警察の方で雇用主のNOAHに連絡を取るのでは? という気もしますが、原則的には企業に逮捕の連絡はしないようですし(大体一報が入った親族等から企業に連絡するケースが多いとのこと)、まあこの辺に関しては嘘はついてないと判断していいと思います。
逮捕にもいくつかパターンはありますけど、常識的に考えて、3か月弱前に来日した外国人ですから、逮捕状を発行して捜査を受けるようなタイプの逮捕ではないでしょう。
来日前からにらまれていたとか、国内で前科があるとかなら違うでしょうけど、そうなるとすんなり就労ビザが下りるとも思えないですし、拘留後すんなり釈放されるわけもないです。
なので恐らく現行犯逮捕。で、釈放されているということは、嫌疑不十分か、あるいは示談成立で不起訴だったのでしょう。現行犯であれば絶対に「何か」はしているわけですが、じゃあそれは何? という堂々巡りに。
プロテインパウダーは道場に行けばあるんだから盗むわけないだろと言われればそれはごもっとも。じゃあ何したんですか? 言えないんですか? それは何? 性暴力絡みじゃないよね?(そうだった場合、もう2度と立ち直れないよ)
彼の釈明に対して海外ファンが一斉にLiarと叫んだことに驚いた人も多いでしょうが、彼が今まで起こして来た数々の事件と無数の虚偽発言のせいで(事件を起こして、ほとぼりが冷めるころに必ずあれは嘘だ、言いがかりだと毎回言うんですよ)、みんな彼の言動には全く信が置けなくなってしまったということなんですよね。
そもそも彼は去年の逮捕時に自己弁護的に「精神的疾患がある」と言っていましたが、じゃあ頼むから治療してくれ以外の言葉はないですよ。
そしてNOAHも精神疾患のせいでDVに対する保護令違反を60回以上してしまったがオレは悪くない」みたいなことを言い張っている人を、わざわざ新規に雇い入れないで欲しいですね……(前回のエントリに戻る)。怖くない? そんな人が同僚として入ってきたら、普通の顔して付き合えなくないですか? 北宮くんはどう思ってたの?


あとジェフ・コブにはどこからどういうルートで、どんな情報が行ったんでしょうね。これもよくわからないままですが、まあエルガンとジェフではジェフを信用しますという人が極めて多いのも当たり前なんじゃないでしょうか。
信用は一度失うと、取り返すことは非常に難しいです。これは団体も同じ。

bodyslam.netの人があやふやなままニュースを流したというのは、その通りでしょう。
いや、プロテイン窃盗の可能性がゼロになった訳ではないですが、少なくとも釈放はされているようなので。それも嘘でまだ日本に拘留されていたら怖すぎますけど。
Exclusiveでソース明記無しのニュースを疑わなかったのは私の先入観のせいであり、その辺については大変申し訳なく思います。うかつでした。WrestlingINC.comとかの老舗だとソース付いてるものなんですよね。
とはいえ、少なくとも逮捕拘留は本当だったわけで、どこかで情報の取り違えや切り取りが発生したのかなと(好意的解釈をすれば)思います。
海外ではマジで嫌われているエルガンのやらかしニュースのバリューに引きずられて、新興ニュースサイトが情報の第三者確認を行わず見切り発車した……というのが実際のところかな(実際このサイトでは無かったレベルでバズってましたし)という感じですね。

ビザ関連の問題では? という推測もあったようですが、就労ビザ以外で就労をさせると雇用主も不法就労助長罪に問われるので、それは無いような……気がしますけど、絶対無いと言い切れるほどの信頼が無いのが今のサイバーファイト。
Cygamesを抱えているサイバーエージェントの法務部とかめちゃくちゃ強そうなのに、なんかその辺の相談とかしてなさそうですよね。サイバーエージェント本体に嫌われてないか? 大丈夫か?
就労ビザを申請する際、前科があると通りにくいというのは確かですし、そこで虚偽申告をすると国外退去もあり得ますが、一旦認可したのを差し止め直すとも思えないし。まあ虚偽申告自体は、エルガン本人がDVの事実を認めていない以上ありそうですけど……。

 

あるいはエルガンの主張を100%認めたところで、今度は団体の対応に疑問が残りますよ。
例えば、強めの口調が見た目の厳つさのせいで脅迫と受け取られて捕まった……とかはかなりありそうな線にも思えるのですけど、そういった類の誤認逮捕系だった場合や、また単純に忌引きで帰国する場合、王座返上までさせるものでしょうか……?
忌引きで返上させるというのは不人情の極みで、団体への心象もめちゃくちゃに悪いですよね……。所属選手でそういうことがあったとしたら、絶対に受け入れられないことですけど……。
まあ今のサイバーファイト体制下NOAHはコロナ感染で王座「剥奪」(しかも小川さん相手に)とかやる団体なので全くわからないのですけど、でもビザ申請が遅れて武道館大会欠場となったクリス・リッジウェイのJr.タッグ王座は別に返上にも何もなっていない訳で。
まあ事件とは直接の関係はありませんが、そもそも7.16までの来日契約とHPにも掲載していた選手に王座獲らせるのって、じゃあ武道館で絶対に負けるんだ? という話ですよね。カードの組み方で勝敗が読めてしまうというのはプロレスあるあるですけど、契約状況で勝敗が読めるのはさすがにちょっと……客をバカにしているというか。
こんな事件が起きなければ本来は契約延長してN-1も出てもらうつもりだったのではないのか、と思うのですが、どうなのでしょう。

法的なことを言えば、社員が逮捕されても企業は公式にそれを発表することは「特段の理由がない限り」しないのが一般的です。
しかしこれは普通の会社員ならそうだということであって、芸能人やアスリートが逮捕された場合、起訴不起訴に関わらず事務所や所属団体が経緯説明の会見などを開きますよね。
これは公人と、公人を扱う企業として、犯罪と関わった可能性を放置することは、例え些細な「可能性」であったとしても、社会的に許容されないからです。当たり前すぎますが。グレーなままでは、企業として犯罪を肯定するのかという話になりますから。

今回、犯罪が絡んでいるかもしれないことを放置したことによるNOAHというかサイバーファイトへの信頼の低下は本当に今までにないレベルですし、杉浦選手の反ワクチン陰謀論系ツイートの件や、武藤選手のセクハラ発言、性差別発言の件の時と比べても、より多くのファンががっかりしているように見受けられます。
結局、団体が説明会見をする以外にこの状態に白黒がつくことは無いですよね。ニュースサイトが何を書いても、ソースを書けない以上ファクトとは言えないですし、本人は虚言癖で信用がない上に、肝心なところをぼかしているので。
繰り返しになりますが、サイバーファイトがこの件に対して取りえる正解としては、今からでも(できれば契約を結んだ経緯から)説明するということ以外にはないと思います。

 

 

私見としては、前回長々と書いたことではありますが、去年逮捕されたばかりでその事件に対する反省も償いもしていない人物と、そもそも契約すべきではなかったと思っています。エルガンにとって日本は最後の別天地でした。海外の大きい団体で彼を雇うところはもう現れないでしょう。
なにゆえNOAHは性暴力、DV、ストーカーの常習犯で、明らかにメンタルヘルスに問題を抱えた人と新たに契約し、あまつさえ王座まで獲得させたのでしょうか。そして謎の問題を起こしてうやむやに帰国という顛末。
大の大人が「性暴力もDVも大したことではないから彼を雇おう」と判断してしまったことが非常に残念です。大したことだよ。エルガンのせいで人生がめちゃくちゃになった被害者が何人もいるんですよ。この辺のことに関しては、サイバーファイトには猛省を促したいです。というか、ここで反省しないとマジで破滅ですよ。海外にものを売る気ないのでしょうか?

 

他団体の最近のこういった動向というと、AEW所属となったジェフ・ハーディーがまたアルコール&ドラッグ状態での運転で逮捕されましたよね。
アティテュード時代から追って観てきた方からすると、またか……の3文字以外特に言うことはないのですが、今までのWWEやTNAの時と違ったのは、AEWが本人同意のもと治療を受けさせることをきちんと発表したことです。

何度も何度もこうしたことを繰り返してきたジェフなので、今更治るのだろうか……というのはさておき、自団体選手のこうした逮捕事例に対しては100%正解の対応だと思います。

あと、犯罪ではありませんが、問題の火消しということでいうと新日の飯伏選手の件もありましたね……。
本当にもう手遅れなくらい後手後手になってようやく会見をしたな、という印象ですし、会見自体も木谷の言葉選びに血の気が引くほど嫌な気分になりましたが、それでも会見で一応「手打ち」になったという形は作れたので、やらないで放っておくよりは何倍もマシだったのだと思います……(とはいえ、今後復帰できるのかできないのかも不明というのがやりきれないですし、もし復帰できたとしてどんな気持ちで新日のリングに立つ彼を観ればいいのでしょうか)。
火消しって本当に難しいなと思いますが、そもそも火をつけるなという話ですし、燃えやすいものを不用意に扱うのはやめておけという話でもあります(飯伏は他の誰より丁寧に扱うべきだし、取り扱いマニュアルとかを中澤マイケルさんに作ってもらうべきだったのでは……)。

時系列にも書いたように、エルガンの件にはDave Meltzerが少し言及してはいるのですが、あんまり深掘りする気はなさそうですし、多分グレーなまま終わるんだと思います。NOAHもだんまりでしょう。で、忘れた頃に誰か外国人選手がネタばらしするんじゃないですかね。その日までNOAHが残っていることを祈ります。武藤引退したらサイバーエージェントにポイされそうじゃない? 大丈夫? 上手くやって?

 

 

またプロレス不祥事記録を7000字以上書いてしまって大変やな感じです。
前回のエントリ、結構色んなところで読んで頂けたようで、ブログもTwitterのアカウントも教えていない現場友達からも反応があってびっくりしました。
でも字が多すぎて半分くらいしか読んでなかったとのこと。申し訳ないです。やっぱ1000文字以内で刈り込んでまとめるべきなんだろうな~。しょうもない修飾語とか全部削って行こう! 実際前回も今回も「性犯罪者雇うな」の7文字でイナフなんですが、前回は元婚約者さんの話が怖すぎてつい使命感で全訳してしまいました。

今回もこんなクソつまんねえクソみたいなクソ話を打鍵したい訳もなく、本来は『ピースメイカー』に胸を打たれて長めの感想を書きかけていたところでした。推しがいる団体で不祥事さえ起きなければ……。せめて推しよ、泥中の蓮であってくれと祈るばかりです。
ので、次の更新は『ピースメイカー』の感想です。副読本的なものを読んでいるので、それを読み終わったら仕上げます。